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西鶴置土産

さいかくおきみやげ

三-F-a-は-ｱ-20

井原西鶴

田中庄兵衛（京洛寺町五条上ル町）/ 萬屋清兵衛（武江青物町）/ 八尾甚左衛門（浪花堺筋備後町）

版本

元禄六年刊

1693

一帙五冊

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XI-浮世草子集（上）-58

1104

○元禄六年刊。後補の栗皮色表紙。四針袋綴装。縦二五・六糎×横一七・五糎。単匡郭、縦一九・七糎×横一五・一糎。 第一冊二二丁、第二冊一七丁、第三冊一四丁、第四冊一七丁、第五冊一六丁。

○外題、原題簽「〈絵／入〉西鶴置土産　一（～五）」。第三・四冊は後補題簽、墨書。内題、目録題「西くはくをきみやげ巻一（～五）〈大全／目録〉。」版心、「置土産巻一　（丁付）○」。「置土産巻二（～五）　（丁付）○」。白口、上黒魚尾。

○序（一）「此全部五冊の書は先師の書捨置れける／反故の中より出たるを書林何かしせちに／乞てなかきかたみにもやといへるに跡は／きえせぬとよめるもあはれにおもひ／やられてかれにあたふるものなり（印「枩壽」）（印「平元」）／元禄六酉冬の日／難波俳林西靏菴／團水」。序（二）「世界の偽《うそ》かたまつてひとつの美遊《ひゆ》と／なれり。是をおもふに真言《まこと》をかたり揚《あけ》／屋に一日は暮がたし。女郎はなひ事を／いへるを商賣《しやうばい》男は金銀《きん／＼》を費《ついやし》ながら／氣のつきぬるかさりこと。太皷《たいこ》はつくり／たはけ。やりてはこはい㒵《かほ》。禿《かふろ》は眠《ねふ》らぬ／ふり。宿《やと》のかゝは無理《むり》笑《わら》ひ。かみする女は間《ま》／ぬけの返事《へんじ》。祖母《ばゝ》は腰《こし》ぬけ役《やく》に酒《さけ》の／／横目《よこめ》。亭主《ていしゆ》は客《きやく》の内證《ないしやう》を見立けるが／第一それ／＼に世を渡る業《わさ》おかし。去程《さるほと》／に女郎買《かい》。さんごじゆの緒《を》しめさげながら／此里やめたるは独《ひとり》もなし。手が見えて／ 是非《せひ》なく身を隠《かく》する人其かぎりなき／中にも凡《およそ》万人のしれる色道のうは／もりなれる行末《ゆくすへ》あつめて此外になし／是を大全とす／／難波／西靏（「枩壽」印）」。跋、「右置土産《をきみやげ》五巻の書は浪花《なには》の俳林《はいりん》／二万翁《おう》の作《さく》せる者《もの》也呼《あ》々先生《せんせい》／滑稽《こつけい》に遊《あそん》ては住の江の枩に千年《ちとせ》／の名を残《のこ》す二万三千句を吐出《はきだ》し書を／偏綱《へんかう》するにおよんでは又ならぶ者《もの》なし／惜哉《おしひかな》や千年《ちとせ》の鳥《とり》名はくちずして／其身は五十二《いそじ》とせを期《ご》として終《つい》に仲《なか》／の秋十日の月と西の空にたちぬこゝ／／に此書は病中《びやうちう》の手ずさひにとりし筆／の迹《あと》見るにゆかしく又我にひとしき人も／あらんとあづさにちりはめひろむるになん／ことには三の巻より四の巻にかゝりて自筆《じひつ》／をよろこひ則《すなはち》取直《とりなを》さす出する者也／誠《まこと》に九皐《きうかう》の鶴《つる》の聲《こゑ》天に聞ゆとは／此人をやとみだりに筆を取ならし」。刊記、「書林／京洛寺町五条上ル町　田中庄兵衛／武江青物町　萬屋清兵衛／浪花堺筋備後町　八尾甚左衛門／元禄六〈癸酉〉載冬月吉日」。

○印記、なし。西鶴の第一遺稿集。挿絵、第一冊初丁オに西鶴の肖像、見開き二面・半丁一面。第二冊見開き二面・半丁一面。第三冊見開き二面・半丁一面。第四冊見開き四面・半丁二面。第五冊見開き一面・半丁二面。広告「西鶴俗つれ〳〵　〈自作追付／出来申候〉」を、刊記の後に刻す。第三冊、巻三はすべて補写。第五冊、巻五の二一丁ウの末尾、最終丁オ・ウの跋文も補写。第一冊、最終丁ウの末尾に「金子蔵書」と墨書あり。『新編日本古典文学全集』68（小学館、一九九六年）。『新　日本古典文学大系』77（岩波書店、一九八九年）。『新編西鶴全集』４。

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