○天和二年刊。薄茶色無地表紙。後補。五針袋綴装。縦二七・〇糎×横一八・八糎。単匡郭、縦二二・八糎×横一六・五糎。二一丁。
○外題、なし。内題、なし。版心、「浮世續 ■ 一(~二十)」、終丁は書名がなくて「□□廿一」(□□は「当風」か)。
○序、「見ぬ世の人を朋《とも》とするそこよなうなくさむわざ/なる五月雨のつれ〳〵にたよりて大和うき世繪/とて世のよしなし事その品にまかせて筆を/はしらしむおとろしげなる鬼もこゝろをうごかし/ゑめるやから誠にあいぢやくの綱つよふして六塵《ぢん》の楽/欲あまたなりとはいへとも心のつるきをきよくみがゝは/たちまちに切らんさあいへとわけしらぬもさう〴〵しく/かた過なんひたすらにすつべきにもあらしものゝあわれは恋/路のしたゝりときけは竹のきり目のたまり水みつるはかゝる/二八の月たゞ〳〵心馬の手綱ゆるさしとて筆を/こめぬ」。奥書、「右之一冊大和繪は四氏の形像を菱川氏/筆こまかに書れしを愚眼にも褒美して/今板行出之跡より菱の川ながれうきに/浮てかゝれし石木華鳥絵つくしを板行して/出寿毛能那李」。刊記、「天和二年正月吉日/大和繪師菱川氏/板本鱗形屋三左衛門」。
○印記、なし。一名「浮世續繪尽」。見開きごとに一図、全二〇図。貴重本刊行会『菱川師宣絵本』に本書を底本として影印あり。『師宣祐信繪本書誌』14番。千葉市美術館『菱川師宣展』図録123番として本点を出品、解説に「師宣の当世風俗絵本の代表作として名高い作品。現存する唯一の初版本。題簽が失われ、内題もないことから、柱刻の「浮世続」および『柳亭遺稿』の「浮世続絵尽」より、『浮世続』あるいは『浮世続絵尽』と仮称されている。本書の再版本(出品番号124)の原題簽が「当風品絵づくし」となっていること、また、最終丁の柱刻の下方に「宝(当?)風」と入っていることから、初版本の題名も「当風品絵づくし」であった可能性がある。」という。